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ストレスや不安をどう調整する? – パート 3

執筆者の写真: Yoshimi ShimizuYoshimi Shimizu

グラウンディング:心を落ち着け、つながりを取り戻すエクササイズ


みなさん、こんにちは。

ご訪問いただき、いただきありがとうございます。

2月もそろそろ終わりですね。日差しの色や空気の香りから、少しずつ春が近づいているのを感じます。


最近、世界のあちこちでさまざまな出来事が起こる中で、不安や落ち着かない気持ちを感じることがあるかもしれません。時には、それが恐れや焦りとなって表れることもあります。私自身も、そう感じる時もあります。


外の世界が不安定に感じられるときこそ、今この瞬間に意識を戻し、自分の内側にある安定感を取り戻すことが大切だと思っています。


『グラウンディング』は、そのためのシンプルでありながらパワフルな方法のひとつで、今日はここでご紹介したいと思います。


前回の記事では、五感に意識を向けることで、「今この瞬間に自分とつながる」方法をご紹介しました。今回は、グラウンディングの練習がどのように神経系を落ち着かせ、不安や圧倒された感覚、思考の暴走、自分への批判を和らげることができるのかについてお話しします。


そもそも、グラウンディングって聞いたことありますか?


グラウンディングって何?

日々の忙しさやストレスで、気づけば頭の中がぐるぐるしていることはありませんか?


グラウンディングとは、今この瞬間に意識を戻して、心と体を落ち着かせる方法の一つです。

不安やストレスで頭がいっぱいになるとき、呼吸や体の感覚に意識を向けることで、自分を落ち着かせる状態に戻すことを助けてくれます。



グラウンディングと神経系:ポリヴェーガル理論の視点から(詳しくはパート1をお読みください)

私たちの神経系は、ストレスや不安に対する反応において重要な役割を果たします。ポリヴェーガル理論によると、私たちの体には以下の2つの主要な状態があります。


1. 交感神経状態:いわゆる「不安モード」で、緊張したり、警戒したり、行動の準備をしている状態。

2. 腹側迷走神経状態:いわゆる「穏やかでつながっているモード」で、安全で落ち着いていて、今に集中できる状態。


ストレスを感じると、私たちの体は交感神経状態に移行しやすくなります。これが、思考が止まらなかったり、不安や圧倒感を感じたり、自分を批判してしまうこととつながったりします。


グラウンディングの練習は、体と今この瞬間への意識を通じて、この神経系が高まった状態から落ち着いた状態へと移行する助けとなります。

ちょっと難しそうに聞こえるかもしれませんが、大切なのは『落ち着いているときの自分の体の感覚』を知ることです。


シンプルなグラウンディングエクササイズ

神経系を落ち着けるためのシンプルなグラウンディングエクササイズをご紹介します:


1. ポジション:足をしっかりと床に置きます。

2. 意識:体の重さを感じてみましょう。足の下の床の感触、椅子が支えてくれている感覚、呼吸の穏やかな上下運動を感じます。

3. イメージ:呼吸がゆっくりと流れるように動いている様子を想像してください。足元から頭頂部まで上がり、また下へと戻るイメージです。


最初は1分からでも大丈夫。無理のない範囲で、少しずつ続けてみてください。

この練習を続けることで、心が落ち着き、つながりを感じられるようになるかもしれません。

私はよくセッションとセッションの間の時間にこのグラウンディングをしています。

このグラウンディングをすると、気持ちが落ちついていき、次のセッションに集中できる感覚があります。ちょっとした切り替えにもおすすめです。


うまくできないときは…

もしこのエクササイズ中に、集中が切れたり、緊張や不安などの気持ちや出来事が浮かんできたりするかもしれません。

私たちの心はあっちにいったり、こっちに行ったりします。それはとても自然なことです。

もし、落ち着くことができない、余計に不安になる、という気持ちが出てきたら、


 ・「不安が出てきたかな?」

 ・「今日はちょっと落ち着かないな?」


と優しく気づいてあげてみてください。

そして気づいた後に、あなたがよければ、また足元や体が椅子や床にしっかりと支えられている感覚に意識を戻して、今この瞬間に自分がしっかりと存在していることを感じてみてください。

意識が行ったり来たりしても大丈夫です。もちろん、途中でやめても大丈夫です。

あなたのペースでやってみてください。


次回のパート4がこのシリーズの最終回となります。

パート4では、あなたがすでに持っているリソースを活かしながら、さらに深く体の感覚を感じていくエクササイズをご紹介します。

これまでのエクササイズを組み合わせることで、より深い落ち着きやつながりを体験できると思います。

ぜひお楽しみに!

 
 
 

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